休日、朝、10時半。
朝食をとろうか昼食にしようか、で交差点にたたずむ。
ひとってみんな、優しいから
デジタルあるある
写真は数パターンずつ撮る
これがわからない私は無粋なのだろうな。
朝の鎌倉をあるいていたら、陽気な黒人に声かけられた。
大鳥居をバックに撮ってください、とスマホをわたされて。
私カメラ長い。中学生からさわっている。
だからそれなりに自負、ある。
案の定撮れたんだ。ベストショットが一発で。
まあモデルが良いしね!(インバウンドインバウンド)
どうかな?とスマホをかえす。
彼は「…イイとおもいマス!」そっか、よかった。じゃあね。あ、スィーユゥ。
さわやかなひとだったな、スタイル良いし、おしゃれだし。
ふり返ってもういちど、鳥居のほうをみた。
彼は他のひとに声をかけ、もういちど、おなじポーズで鳥居の前に立っていた。
夜の鎌倉を山本さん(幼馴染)と歩いた。まぶたの腫れも引いていた。
そしたら朝の彼がいる。人気のない路地を、こちらに来る!
うわっ気まずい。
山本さん「おい見てみい、めっちゃおしゃれな外国人がおるで!」やめてマジで。
めっちゃおしゃれな外国人がいてもいいじゃん。ここ地球なんだし。
不良と廊下で出くわしたとき、壁に向いて直立のやつ。あれちゃんと需要あるんですね。
旅行にはハズゴーン
旅先で暖簾をくぐる。
でてきたセイロに平たい感情をおぼえる。
名物ぽい店員さんの、気のきいたサービス。
サプライズなんだろうがこちらは芝居だ。
散策してると、何年かぶりだという雪が降ってきた。
どこかで見たようで、はしゃぐ若者をみる眼は白んでいる。
ぜんぶ知ってる。
旅はいま、はじまる前から完結している。
先達のアーカイブと相違ないことを確認するのがいまの、地球の歩き方だ。
『正解のない時代』とはよく言われるが、どうやら正解は正解でそれなりにある。
レールの上、楽勝でゲットできるフラグをなぞる。
何を食べたかは覚えちゃいないが、カロリーは取った。写真も撮った。
もしや何も食べなかったのかもな。だっていつもお腹はいっぱいだもの。