16:30

2013/07/08

日曜の16:30に髪を切る、予約をした
そんなことを思い出した土曜日の夕方
明日の今頃はどうなっているかな、自転車をこぎながら
斜め上方を見据えて矢文はなった

思い起こせば
予約を入れたのだって夕方だった
金曜の自分があこがれた先の自分に
いま、すこしずつ近づいていることへの高ぶりといったら
そして日曜の時分の自分は金曜の自分に手紙を書いて
こんなんなりましたよ、と親告するのだろうか
金曜と日曜にはさまれて土曜日を生きる
ただひたすらに料理をこさえ待ち人きたらぬ、女のことを思い出した。

いつどんなときだってドラマになるし、ならない
隣のドラマは小説に勝る緑さをはなつ
16:30を軸に据えた私小説が、しばらく続く
他人の出した神輿に乗っかって名前をうしなうことが
実に哀れを感じさせるので

さあ今日も16:30に思いを馳せるとしよう
明日の16:30は何をしていよう。