百均で迷子になった。
欲しいものがあって百均に行ったのに、ものの5分で飛んでしまった。
まあいい居れば、歩いていれば思い出すだろう、と虚ろな目をして、
ちいさな街をさまよった。
しかし、みんなが愛する百均は多種多様で多量。
台風の影響あってか、こどもたちにも格好の庭となっていて
錯綜する玉石な情報と、それに被さる遮断機が悩ましかった。
この際どうでもよいものを「あぁこれこれ」と得心してみようか。いやまてよ。
かばんからさっき読んでいた本をとりだし、センテンスを手繰る。やっとのことで目的を思い出す。
眼は爛々、足取りはしゃっきりとした自分にひと通り寒さを感じつつ、一周したところで肩を落とす。
百均にガソリンは置いてなかった。