かれこれ20余年、
いやどちらかとゆうと30未満年、
私は汁など漏らしたことは無かった。
少なくとも記憶には。もちかすると
漏らした記憶を抹消しちまってるだけ、
かも知れないが、ね。
いつもと大差ない
強いて言えばチョット多めに盛ったわたしの昼べんと。
汁が漏れとった。
あの時の遣る瀬無さは何かに似ているなあ。
海岸線の日没だろうか…
乗せたハミガキ、ポトンした時だろうか…
いずれにしても
弁当から汁漏れとった。
なにがショックなのか。
生きてれば摂理。
いや、わたしおもたのですよ。
今でこそ自分でこしらえ弁当で昼やっつけてますけど、
これまで(記憶では)一度も汁知らずだった私の弁当、
それが如何に母の、汁アウトした腕によっていたか。
なにも知らずに、親の用意してくれた汁なしライフにどっぷり浸かり切って(汁なしなのに)いたのだなあ、と。
思いを馳せれば、つぎつぎに目から溢れる汁を止められません。
あっ弁当箱拭かなきゃ。
嗚呼、ふるさとの母よ(フキフキ)。
とくになにもありません。