先週のこと。
ぜったいに割れない、
ガラスのうつわで手を切った。
ずっと指の傷を見ていた。
手は指というのは創造に欠かせないものだけれど
こんなにも地味でかつ重たい表現というのは流血してるときぐらいのものかも知れない。
ふてくされた、ほっぺの膨らんだ女の子にじっと、にらまれているような。
血を流さない暮らしでいると
そんなにも珍しいのか、はたまた年に数度のお祭りか
血の流れるさまを見ていた。
ガラスが割れるのはだいたいが不本意
つまり流れた血の量は、どれほどそのガラスを、割れない、と信じていたかに比例する。
ぺたぺたと妖怪のように
赤黒い血溜まり。
安いチリワイン
絆創膏のかおり
あとづけの、ロゼごっこ。