Author Archives いとう優歌

今日は休肝日るん

2013/08/13
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食後にコーヒーを飲んでいると
あれだ、あれのことを思い出す。

16年前、私はオーストラリアのどまん中にいた。
盗んだバイクで走り出したら止まらず、広島のちいさな町から四国まで足を伸ばそうとして間違ったのだ。

そこにはアボリジニの男が居た。土着的な、すこし白毛の混じった髭をたくわえ、やたらとコメント欄を気にしていた。
サドルが盗まれ途方に暮れる私にカタコトの英語で彼はこう言った。
「『盗んだバイクが盗まれた』これは私たちの古い言い伝えだ。」
因みに『 』の中はメロディーがついていた。
「盗んだ… ! アボじいそれって…!」
「梅干しみると口キューってなるのはどこの国でも一緒さ。来なさい。」
彼は自分たち一族の集落とおぼしき場所へ私を通してくれた。一族のほかの者たちが顔をしかめているのをみるに、どうやらこの男がこの集団のリーダーのようである。
「お前という旅人に会えた事が、今日の狩りの一番の、収穫だ。」
飲み物を持ってきてくれた若い女が、刹那、男の方をきっと睨んだ(チッ、とも言った)。
「これは私たちの一族に伝わる歓迎の杯だ。飲みなさい。」
こわごわ口にそれを含んだ私はハッとした。
「珈琲と牛乳… ! アボじいこれって…!」
「(ニコッ)カフェ・ラッテだ。」

…あれからもう幾年も過ぎ、私にも白髪がチラみえ始めた。
今になって気がついたが、ずっとネットに引っかかって居ることが有る。
あのとき振る舞ってもらったアボリジニのカフェ・ラッテ。カフェ・ド・アボリジニ。
私の舌がまだ青色を呈していたせいで気付かなかったが、あれ、実は『カフェ・オ・レ』だったのではないか?
一度ついた琥珀色の濃い染みは、なかなか落ちない。
というのもあの環境で、泡立てたミルク(スチームドミルク)がいつまでも泡のままでいられると云うのは不可能と言っても決してJAROではないのだ。

私は真相を突き止めようと、図書館に通ってあのアボリジニのことを調べてみた。
ラテなのかオレなのか、伊なのか仏なのか(たしかオーストラリアは英国支配だった筈だが…)。
しかし調査は難航した。どの文献にもアボリジニがカフェ・ラッテ(カフェ・オ・レ)を喫したなどという情報は見当たらないのだ。
あの時と同様、私はふたたび途方に暮れた。
しかしケータイで検索かけるとあのアボリジニがWEBでヒットするじゃないか。
何と彼は民族文化の衰退を懸念して広報という方法をとっていた。
サイトの名前は【みるく☆アボリジニ】というものだった(星のところは塗り潰しても良いとのこと★)。
きっと旅人の為に牧場などを用意して癒しを提供し、対価を得ているているのだろう。
そこ(サイト)でわかったこと。
あれは何のこたない、コーヒー牛乳だったのだ。
今となっては恨むことすらできない、いや寧ろあれは彼らの、優しさではなかったか?
普段はクリープで飲んでいる、という彼らにとって生乳100%を惜しげも無く注いだそれがかなりの贅沢品なのであろうことは想像に難くない。

そしてもうひとつわかったこと。
彼らはただバイトでアボリジニをやっていたということだった。
私のなかで、すべてが繋がった。一族の者が裏で『シフト、シフト』と呻いていたのは決して彼らの言語ではなかったのだった。

私は珈琲と牛乳を飲む。
貨幣にうたれた彼らの躰は青錆にまみれて、それでも幾許かの幸福を感じていることだろう。
円とドルとパピルスで、買える思い出は大人のおもちゃ。
珈琲と牛乳。
よくわからん。
これは戦争だ。

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首の夏

2013/08/11
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寝違えて
くびいたい

いたいいたい
サマーがイズデッド。

ただ、昨年のまったく同じ時期を思い出す。
そのときもオリンピック級に寝違えて、くびいたくて
注射に点滴まで、したのを思いだした。たしか看護師と患者が阿波踊りの話をしていたんだ。

奇しくも徳島藩の史をまなび、神社で因果めいた話をきいたばかりだった。
これはきっと徳島に没した平家の首と関係があるに違いない。
いや経営難に陥り没落した藍商人の祟りか(首が回らない)。
ふつう二十歳まで、というが三十歳になって霊的にめざめてしまった、霊の尻尾をつかんでしまった。
マこないだお会いした還暦のお父様も若くてエネルギッシュだったし、そういう時代なのかもね。

すべての価値は二十歳に照準を合わせ
皆が二十歳をめざす。
でも首は二十歳じゃ、ないだろう。
いたいいたい。
夏と言えば首、だよね!

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客が来た

2013/08/05
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お客さんがうちに来たとき
なんて声を、かけようか

『何か飲みますか?』
…定番である。因みに喫茶店ではそうは言われないだろう。

『何か呑みますか?』
…同上。酒屋では言われない。

『何か読みますか?』
…髪をきる店などで。図書館や、本屋では言われない。

『何か食べますか?』
…定食屋では言われない。喫茶店では言われる。

『何か押しますか?』
…プチプチ(梱包剤の切れ端)を出しながら。パソコンスクールでは言われない。

『何か止めますか?』
…坊さんには言われない、かもしれない。

何でもできる、何もできない。
いらっしゃいませ、何かやりますか?

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味噌ショック

2013/08/04
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ときどきお世話になっている、78円のカップ味噌汁。
私は、思い募ったためにアツアツを頭からかぶったほど、味噌汁が好きです。
その味噌汁78円がとつぜん、店頭から姿を消しました。
品切れ、というにはラックごと、ない。
これは陰謀だと思います。100円に値上げする、のでなく、100円で売れそうな味噌汁を新たに並べる。
私は騙されないぞ。100円で買うけど。100円で買いは、すーるーけーど騙されないぞ。

以上、新党みそしるの政見放送でした。

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7月21日

2013/07/24
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友人のたんじょう日をわすれていた。
おもいだした、昨日だったァと鼻ひろげたが本当は今日だった。

投票いってから、スーパーで買い物しながら
ああ、ということは私がいつも国産大豆の納豆を買っている
このこともひとつの投票だ、と思った。
そして選挙にでないでも、革新を志すひとは出馬だとも思った。

数年前の自分がみらいの子孫にのこしたレシピを発見する、それで食事をしてみる。
自分が煮詰まって行く作業。
いっしゅんたち止まって、レシピだって時代や環境にあわせてアレンジが要るのでは?と思った。
あれから自分も30代になったし、地球が揺れたり先生が変わったりしたのに、同じレシピでいいのか?
給料日には親子丼が他人丼になるじゃないか。それをしないのは無粋だって。

材料をいつもより大きめに切って、ワイルドな振りをしてみた。
みんながみんな主張をするから、きが狂いそうになった。
デモクラシーは、きがくるう。

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7月22日

2013/07/23
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携帯とか、名刺入れが
やけに落ちるな、とみたら
シャツのポケットが無かった
あれ、あ、そうかこのシャツポッケなかったよな、と
アロハだし、ゆるく納得してたのですが
やっぱり、とゆうか裏表でした。

一票の格差、高校でならったし
なんとなく分かってはいたのだけれど
きょう、中粒納豆を食べようとして開封したときの
ビニールについてるやつをどうしてもひと粒、助けらんなくて
ああこういうことか、小粒納豆だったら、とやっと実感した。

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7月19日

2013/07/23
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ひるたべて
スーパーでアイスたべながら
携帯いじってたら、そぼくな男児が
「なんちよん?」
そう言えばいまの状態をなんというのだろう、このくらいの子どもに『昼休憩』がわかるかな、とおもい
「あそんびょるんよ~。」と、いったらその子に
「あそんどったらあかんよ。」と、諭された。

ああきっとこの子にとっては
この30円のアメちゃんを食べるこれから数分も
すべて仕事なのだ

メガネがやけにお洒落だったな。

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