夢ー夜(ゆめぇや)

2018/12/15

こんな夢をみた。

15歳、走り屋、不良少年。
平日の夕刻、取材をすべく接触。
紺ブレの襟から収まりのわるい襟足。するどい眼つきとともに怪しく鈍光している。

さっそく本題を投げる。
いぶかしげだった少年の表情が自信に満ち、あかるくなる。

「ナナハン、乗ってんスよ。」
自慢のそれを見せてあげる、と向かったさきはレース場。
少年は走り屋ではなかった。レーシングチームの育成選手だったのだ。
そりゃそうだ。夢のなかでも無免は家裁だ。

ひと気のない長屋のようなピットをくぐり、裏手にでる。
立ちどまる私に少年はニヤッとした。銀色のクロスを勢いよく剥がしあげる。
「バサッ!」
まさかの四輪車だった。

私は仕事そっちのけで、少年にきこえるようにつぶやいた。
「いや車でナナハンて…ほぼ『軽自動車』だから!」
きこえているのか芯がつよいのか、少年はナナハンに乗りこんでエンジンをふかした。

原付くらいのボリュウムだった。
日は完全に落ちていた。