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人は誰しも、ダルシムなのか

2022/09/05
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ヨガの話題を手土産に、リビングで深夜をむかえる。
あらためてヨガってなんぞや、と字引いてみる。
いわく ”ヨガ” の発音はネイティヴに遠いらしい。 ”ヨゥガ” だそうだ現地では。
彼にあやまらないといけない。

彼と格ゲーで出会ったあのころ。
わたしはまだまだ思春期で、いいかっこしたかった。
すべての民草どもが、あまねく、いいかっこしたいものだと思っていた。
だから ”ヨゥガ” っていう彼のことを、
「秘奥義がちなやつ(必殺技の名前をいうときだけ大振りないいかたになる)」として蔑んでいた。
そんなに溜めたらフリーザ様も待ってはくれないよ。東京に行かないほうのオラを思いながら。

よわい犬ほど…とはいうが、やはり多弁な芸術家というのは寡聞におもう。
とはいえ作者没して完成する芸術なんて哲学的なようで、やはりすこし、いやだいぶ、さみしい。
人間それじたいが芸術なのではないのだから。

もともと核のない話がおおきく逸れたが、ダルシムは間違っていなかった。
あの国際色ゆたかな乱痴気騒ぎのなかで、ネイティヴな発音を維持することのむずかしさは想像に難くない。
『Ken likes Masao』すら、マッサーオ、といってしまいいつも悔いているのだ我々は。

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Bleakingfast on Ghibli

2022/07/31
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朝のカフェで。

カウンターの向こう、がっしり目のお姉さん。
私「コーヒー、ラテに変更できますか?」
彼女、マスクの向こうでちいさく笑み、スチーマーを
「プシューッ」てやった。
おソノさんの旦那かと思った。

ラテをいただく。慌ただしいホールに向かって彼女、
「おチビちゃんテーブル拭いてきて。」
おソノさんかと思った。

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ピボット

2022/07/31
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父が車を替えた。
キャンピングカーから、でかいキャンピングカーになった。
コンビニの居抜きはコンビニになることも多いが、父はどうやらコンビニであった。
私が幼い時分から父はキャンピングカーの雑誌を読んでいた。手を離れてやって誇らしい心持ちだ。

ここで一句。
キャンピングカーが
ずっと家の車庫にいる

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Untitled

2022/07/23
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信号まち。
日陰をゆずりあって、知らないもの同士がちいさな話をする。
結局ふたりとも納まっているから、慣れない記念写真みたく硬くなっている。
陰なのに、木漏れ日が差したみたくやわらかい。

どうだ、世界。
まだまだ人類は、
こんなに距離を縮められるんだぞ。

長すぎる愛着のおあずけに、
味の記憶はうすれてゆくから、
よけいに探してしまう。
たしかに昔、おなじ料理をつついた。
肩をたたきあって笑った。

口と口をつけるのが口づけの由来だ
と知った君は、顔をゆがめた。

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Untitled

2022/07/18
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わかい音楽仲間と、ばったり会った。
おたがい十台二十代のころから知っていて、
いまや三十代四十代だ。

そんな音楽仲間と、ぐうぜん再開した。
整骨院で。
なるほどこれが三名四名となって、
医療費を嵩上げしているのか。
いつか、いよいよほんとに寝たきりになっても、
協会けんぽには足向けて寝れないな。

「久しぶり!元気〜?」
「…元気じゃあ、ない」
そうゆうのが定番化したりして。

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※センシティブな内容が含まれています

2022/07/10
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最近のニウスを聴いてると、ずいぶん昔、寝込んだときのことを思いだす。

いまなら絵とか壺とか買っちゃうよ、そんな弱りかたである。お熱をはかる。
月あかり/オムロン照らす/8度かな
平熱ひくいので9度くらいの感覚だ。
辛くも意識はシャープ、もっと高いとこはないかナなんて、まさぐる余裕。
そしたら局所が、熱い。

この局所というやつはよく出来たもので、
冬は梅干し、夏はムササビのごとく姿をかえ、
その恒温を守ってきた。
そんな局所が熱いのだ。
色で言ったら赤。テレビの音量で言ったら40くらいである。
ああかわいそうな局所。

「冷凍庫のすみでこごえていた、保冷剤を捨てなくてよかった。」

このときはインフルエンザだったのかな確か。
それこそ今みたく自宅待機してて、
暇だったからセーターの毛玉ちぎってベランダから風に乗せてた。
きっと今ごろ、この街のあちこちで、ちいちゃなセーターが育っているはず。
シルバニアのあの子に似合うかしら。局所にたずねてみる。

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箸も休め休め言え

2022/07/10
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箸置きがすきだ。
箸を置く暫時、というのがすきだ。
いきつけのそば屋では楊枝を枕にしてるから、
マスターがあわてて貸してくれる。
嫌味にうつってないかしら。

箸を置きたくてしょうがない私だ、
だから『箸休め』も箸置きのことだとおもっていた。
お箸さま、どうぞこちらで休んでいかれてください。
『置く』なんて行為でいわないのが実にゆかしい。日本にうまれてよかった。
でもそこは違った。
ことば遣いのはしくれとして、実にはじかみい。スティックでチョップしてやりたい。

箸休めをいただいてるあいだも、箸は休んでいない。
それは臓器のようだ。今体にいえばインフラだ。
『休め』のことばにつつみ隠しているけれど、
24時まで呑ませてくれたバーテンさんは、そこから店じまいをするのだ。
バーテンさんが帰りに寄ったコンビニスタッフさんは、彼よりあとに寝るのだ。
私たちは地球の裏側に紙ひこうきを投げるべきだ。感謝のことばをしたためて。
あと運動会の『休め』もそうだ。生徒の貧血にそなえたアリバイだ。

今日のことわざ。
【箸も休め休め言え】
もぐもぐしながら話すな、てこと。

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浦島未遂

2022/05/03
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これこれ君たち、
そんなにクラゲを虐めてはいけない。

かわいそうに、こんなに棒で突かれ
痛ッ!!!!!

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歩こう。

2022/04/17
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いちげんな店で食事をとっていると、もちろんカウンターだ、店員さんとの話になる。
「はじめてですよね、なにかでご覧になったのですか?」
これよく訊かれる。

かたや温泉街の店ではだれもが異邦人だ
(地元民や従業員がいく店は別にあったりする)。
どちらから、とは訊かれても、どちらのご紹介で、とは、ならない。

わたしのうまれた頃からクチコミはあったし、旅行雑誌はあった。
わたしだって鉄道に乗るときはスペックや路線図を舐めまわすものだ。
その一方で、食べてみないとわからない、異国の大衆料理に見返り美人を強いられる(手は口もとに)。

休日なんてとくに、自我の荷ほどきをしてあげたいのに、床につく、いちにちの暮れに、
ああ今日はこんなだったな…という日記のなかみが、書くまえからきまってるのは寧ろたいくつだ。

あらゆる道やたてものが色数をふやしてくれたころ。
わくわくしたりひやひやしたり、そんなときみたいに、もっとしっかり、破線をなぞろう。
歩こう。車もいいし飛行機でもいいが、いちばんのろまな方法で、町の輪郭をとらえていこう。

もっといえばほふく前進やでんぐり返り、なんてのもあるが、そんなこという奴は先生キライだ。

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